現在

キルケゴールはいう。「反復されるものは存在していたのである、でなければ、反復されないであろう」(『反復』)。マルクス・アウレーリウスはいう。「つねに最初の知覚に留まり、自己の中から何ものをもこれに加えないようにすれば、君には何ごとも起こらないのである」(『自省録』)。ドゥルーズはいう。「ストア派があらゆるしるしはひとつの現在のしるしであるということを指摘したのであり、これがストア派の偉大な成果のひとつなのである(傷跡はしるしであるが、過去の傷のしるしではなく、「傷を負ったという現在的な事実」のしるしである」(『差異と反復』)。