資本と国民=国家のテイク・オフ

資本の本源的蓄積*1のように、国民、国家の形成にも一つの断絶が存在し、そこでは資本、国民、国家は相互に依存している。そしてこの三者の関係は現在まで続いている。

ナショナリズムは、すでに見たように、懐かしい山河や第一次集団への本能に似た愛着の感情ではなく、より抽象的な実体、即ち新しい政治的共同体への忠誠と愛着の感情であった。いわばこの二つの感情、意識の間には、あたかも経済学上の「離陸(テイク・オフ)」に似たもの、宗教的な啓示に似た断絶が必要であったといえるかもしれない(橋川文三ナショナリズム」、p29)。

*1:id:negrict:20050112及びid:negrict:20050205参照