2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

臨界下における認識

戸坂[潤]は、[・・・]学術的な(解釈学的)哲学とジャーナリズムが連んで抹消した、抑圧された歴史のベールを剥ぐことの必要性を認識していた。日常生活のイデオロギー的基礎の形成に手を染めたジャーナリズムが「日刊」という枠組みに繋ぎ止められてい…

奴隷の水準

「民度」という聞き慣れない言葉をよく耳にするようになった。てっきり差別的なメンタリィティーを持った者たちが作った造語だと無知ゆえに思い込んでいたが、辞書を引くと「人民の生活や文化の程度」という意味で、例文には「民度が高い」とある*1。 どうい…

健康報国の義、天晴れ也

藤野豊『強制された健康―日本ファシズム下の生命と身体 (歴史文化ライブラリー)』(吉川弘文館、2000)よりナチス・ドイツだけではなく、日本においても健康は義務となっていた。1938(昭和13)年1月11日、厚生省が誕生する。「厚生」とは「健康を維持しまた…

抵抗としての運動神経

以前、「運動神経」をテーマにした映画を考えていたことがあった。柄谷行人は「運動神経」が良く、彼にとって「運動神経」が「根拠」になっているようなことを何度か述べているが、その例としてこれまた運動神経が良かったという坂口安吾を挙げている。反対…

ナチスによる「食育」推進

ナチスにとって食事は重要な問題だった。健康で強い国家には健康で強い肉体が必要、そして強い肉体にはまず正しい食事である。そこでナチス・ドイツの栄養学者はまず、肉と糖分、脂肪の過剰摂取を正面攻撃の対象とし、シリアルや新鮮な果物、野菜など「より…

食育基本法案が可決

衆院内閣委員会は15日、食育基本法案を自民、公明、共産の賛成多数で可決した。民主党は反対した。同法案は19日の本会議に上程され、賛成多数で可決、参院に送付される運びだ。 同法案は食教育を通じて、食生活の乱れを改善するのが目的。自民党と公明党…

食料選別の2極化

ある大手スーパーの話によると、中・老年層は価値追求、若年層は価格追求といった食料品選別の2極化がみられるという。経済的余裕のある中・老年層が「安全・安心」の食料品を購買する一方、経済的余裕のない若年層は生産流通履歴が不明な安価な食料品を購…

健康は義務である

「食育基本法」なる代物が、郵政「私」営化で騒がれている今国会で人知れずに成立しつつある。この法律は「二十一世紀における我が国の発展のためには、子どもたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向かって羽ばたくことができるようにするとともに…