抵抗としての運動神経

以前、「運動神経」をテーマにした映画を考えていたことがあった。柄谷行人は「運動神経」が良く、彼にとって「運動神経」が「根拠」になっているようなことを何度か述べているが、その例としてこれまた運動神経が良かったという坂口安吾を挙げている。反対に運動神経が悪く、健康志向の三島由紀夫を「やや軽蔑を禁じえない」としている。ここでいう運動神経とは、字義通りに身体における運動能力が高いというぐらいの意味である。安吾は放蕩三昧で滅茶苦茶なことをやっていても、身体は常に健康だったという。この異常な健康性を過去及び現在の「健康(食育)推進運動」に対峙させてみたい。