2005-01-01から1年間の記事一覧

労働者の金はどこに行く?

なけなしの金しか持っていないが、メガバンクに預けてはろくでもない資本に金が流れるので、非営利でNPOなどにも融資している労働金庫(中央労働金庫)に口座を変更しに行く。セブンイレブン(セブン銀行)で手数料無しで引き出せるなど労働金庫の利便性は高…

自発性と奉仕

「セツルメント活動」と「新体制運動」の一翼としての「勤労奉仕」とを同一視せる我妻の見解は、まさしく「社会ファシズム」的(もしくは「左翼崩れ」的)観念形態の一典型であろう。しかも、そのこと(の本質的意味)を、我妻は、毛頭みずから意識あるいは…

勝ち馬に乗る

現在雇われている会社は「持続可能な社会の実現」を謳ってたいそうご立派であるが、環境大臣ナニガシとのパイプがあり、選挙の翌朝、勝ち馬に乗って良かったと経営者の周りで騒いでいた(因みに前職の専門新聞社は「フリーターはイラクへ行け」のアホとパイ…

2005年9月11日

この日付は、この国の人々が自らの手によって最悪の選択をした日として歴史に刻印されるだろう。この選択を阻止できなかったことに、同時代人としてまた未来の世代に対して大きな責任を覚える。もう後戻りはできない。

議会制民主主義

代表するものと代表されるものの関係が失効しているのはいうまでもない。しかし、はからずも日本国籍を刻印されてしまっている者で、なおかつ選挙権を持つ者が、自由民主党なる政党に一票を投じてしまってよいのだろうか? また白票を投じてしまってよいのだ…

ふたつの動作の間

労働として時計をつくっているときの動作と趣味で映画を編集しているときの動作は酷似しているが、一方においては金が払われ、他方においては払われない、かつてジャン=リュック・ゴダールの映画の中で、登場人物がそのようなことを云っていた。このふたつ…

鈍い眼

限界状況の全体の展望について明晰すぎる眼をもつ者は、おそらく絶望してしまうほかないだろう。限界状況を、日常生活の一側面としてしか、うけつけない鈍い眼の持主だけが、それと闘うことができるのである(略)しかもこの眼の鈍さは、忍耐心によって支え…

資本主義社会とは

実質的にはいわゆる搾取階級と被搾取階級という、あらゆる階級社会に共通な階級的対立の上に存立するのであるが、形式的には商品形態をもってこの実質的関係を隠蔽するのである。しかもこの形態の関係は、他人の剰余労働を剰余価値として実現しながらこれを…

資本とは

「貨幣、生産手段、商品等の種々なる姿をとり、労働力の姿をさえとる価値の運動体*1」に他ならないが、会計についてのある教科書本を読んでいると、資本についての端的な記述があり、その資本の動きを把握するものが会計であると明快に解説している。 会社が…

『新選組!』続編決定

大河ドラマ『新選組!』の続編が2006年1月に放送されることが決まったという*1。現在放送中の『義経』は、今のところ、登場人物が単に記号(義経は義経である、清盛入道は清盛入道である・・・)と化していて、必然的な歴史の流れにただ身を任せていればよい…

過剰資本と過剰労働力の同時併存

労働力に対する需要増加に伴う労働賃金の騰貴は、一般物価の騰貴と異なって、資本の利潤そのものに対抗し利潤率を実質的に浸食する騰貴である。それは賃金が騰貴したから商品の価格を引き上げ得るという性質のものではない。元来、賃金として支払われる価値…

労働力の商品化と恐慌

資本主義社会の再生産過程が、単に資本の生産物としての商品のみによって行われるのであれば、恐慌は販売と購買との分離を基礎とする購買と支払との分離によって、いい換えれば信用関係によって、その再生産規模を拡大した場合に、不均等なる発展に伴う価格…

資本と倫理

財団法人社会経済生産性本部が行っている「第16回 2005年度新入社員意識調査」の結果によると、自分の良心に反する手段での仕事の遂行を指示された場合、「あまりやりたくないが指示の通り行動する」と答えた者は43.3%で、41.1%の「できる限り避ける…

120年周期の反復

柄谷行人は『at』0号(太田出版)所収の「革命と反復 序説」で、これまでの自説を翻して、1990年以後をコンドラチェフの60年周期ではなく、その倍の120年周期で考えた方がよいという。60年周期で考えると、バブル崩壊から始まる1990年代が昭…

大学の階層化

大学の夜間学部(二部)が30年で半減しているという(『朝日新聞』5月12日夕刊)。数年前に夜間学部に通学した経験がある(中退)。その時も選択肢は乏しかったが更に減少しているようだ。通学していた学部も今年から新規募集を取りやめたという。明治…

失業のメカニズム

将来が「不確実」→流動性選好>期待投資収益率→貨幣需要増える→利子率上がる→投資減る→生産減る→労働需要減る→労働供給下回る→失業→(消費減る→販売量下がる→労働需要減る→失業増加)→螺旋状に悪化 例えばトヨタ自動車が代表するように多くの資本が過去最高…

信用と恐慌

以前、与信管理の職務に携わっていたことがあった。与信とは字義通り「信用を与えること」である。信用とは「きみを信用している」といった”trsutの”意味ではなく” credit”の意味である。 通常の買い物は、貨幣と商品を交換することによって成立する。売り手…

臨界下における認識

戸坂[潤]は、[・・・]学術的な(解釈学的)哲学とジャーナリズムが連んで抹消した、抑圧された歴史のベールを剥ぐことの必要性を認識していた。日常生活のイデオロギー的基礎の形成に手を染めたジャーナリズムが「日刊」という枠組みに繋ぎ止められてい…

奴隷の水準

「民度」という聞き慣れない言葉をよく耳にするようになった。てっきり差別的なメンタリィティーを持った者たちが作った造語だと無知ゆえに思い込んでいたが、辞書を引くと「人民の生活や文化の程度」という意味で、例文には「民度が高い」とある*1。 どうい…

健康報国の義、天晴れ也

藤野豊『強制された健康―日本ファシズム下の生命と身体 (歴史文化ライブラリー)』(吉川弘文館、2000)よりナチス・ドイツだけではなく、日本においても健康は義務となっていた。1938(昭和13)年1月11日、厚生省が誕生する。「厚生」とは「健康を維持しまた…

抵抗としての運動神経

以前、「運動神経」をテーマにした映画を考えていたことがあった。柄谷行人は「運動神経」が良く、彼にとって「運動神経」が「根拠」になっているようなことを何度か述べているが、その例としてこれまた運動神経が良かったという坂口安吾を挙げている。反対…

ナチスによる「食育」推進

ナチスにとって食事は重要な問題だった。健康で強い国家には健康で強い肉体が必要、そして強い肉体にはまず正しい食事である。そこでナチス・ドイツの栄養学者はまず、肉と糖分、脂肪の過剰摂取を正面攻撃の対象とし、シリアルや新鮮な果物、野菜など「より…

食育基本法案が可決

衆院内閣委員会は15日、食育基本法案を自民、公明、共産の賛成多数で可決した。民主党は反対した。同法案は19日の本会議に上程され、賛成多数で可決、参院に送付される運びだ。 同法案は食教育を通じて、食生活の乱れを改善するのが目的。自民党と公明党…

食料選別の2極化

ある大手スーパーの話によると、中・老年層は価値追求、若年層は価格追求といった食料品選別の2極化がみられるという。経済的余裕のある中・老年層が「安全・安心」の食料品を購買する一方、経済的余裕のない若年層は生産流通履歴が不明な安価な食料品を購…

健康は義務である

「食育基本法」なる代物が、郵政「私」営化で騒がれている今国会で人知れずに成立しつつある。この法律は「二十一世紀における我が国の発展のためには、子どもたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向かって羽ばたくことができるようにするとともに…

非資本制と右翼

イマニュエル・ウォーラーステインは、利潤を排除した脱商品化のプログラム(ようはNPO化か)を左翼が構築しなければ、「世界の右翼が、現在のシステムに替えて、ヒエラルキー的で非平等主義的な新しい世界秩序にわれわれを巻き込むような非資本主義的システ…

報道の倫理性についての私論

最近、故あってジャーナリズムに関する文献をパラパラと漁っているのだが、ふと8年ほど前の大学時代に書いた報道の倫理性についてのレポートを思い出して、引っ張りだして読んでみると、個人的なジャーナリズム観は現在とほとんど変わっておらず、改めて書…

コミュニケーション能力

求人情報を見ると、求める人材の能力として「コミュニケーション能力」と書かれているのをよく目にする。実際、朝日新聞の調査によると、企業が採用で最も重視する能力は「コミュニケーション能力」であるという(3/20)。アントニオ・ネグリやパオロ・…

WORLD PEACE NOW 3.19

http://www.worldpeacenow.jp責任が「約束に対する応答」という意味であるならば、この国の政府は「自衛隊派遣は人道復興支援である」という約束を果たしていないということが、「自衛隊を撤退させない」ということから明らかである。人道復興支援であるなら…

資本と国民=国家のテイク・オフ

資本の本源的蓄積*1のように、国民、国家の形成にも一つの断絶が存在し、そこでは資本、国民、国家は相互に依存している。そしてこの三者の関係は現在まで続いている。 ナショナリズムは、すでに見たように、懐かしい山河や第一次集団への本能に似た愛着の感…