労働者の金はどこに行く?

なけなしの金しか持っていないが、メガバンクに預けてはろくでもない資本に金が流れるので、非営利でNPOなどにも融資している労働金庫中央労働金庫)に口座を変更しに行く。セブンイレブンセブン銀行)で手数料無しで引き出せるなど労働金庫の利便性は高まっている。労働者は手軽さだけで都市銀行に貯金する理由もなく、また金利自己資本比率や預貸率もあまり変わらない。
しかし、労働金庫に出向き、口座をつくりたい旨を労働金庫の職員に伝えると、在籍する労働組合を通してしか口座をつくれないといわれ唖然とする。労働組合がない会社の従業員はどうなるのか? フリーターはどうなるのか? そもそも労働組合の組織率が低下の一途をたどっているのに。当然そんなわけはなく、結果として個人でも口座はつくれたが、個人が口座をつくりに来ることなど滅多にないのだろう。職員の中には日々の業務の中で労働組合の金融機関という認識しか持たず、労働金庫本来の理念を念頭に置いていない者もいるようだった。労働金庫に対して決して無批判ではないが、金の流れを変えることは微少ながらも可能だ。