自発性と奉仕

「セツルメント活動」と「新体制運動」の一翼としての「勤労奉仕」とを同一視せる我妻の見解は、まさしく「社会ファシズム」的(もしくは「左翼崩れ」的)観念形態の一典型であろう。しかも、そのこと(の本質的意味)を、我妻は、毛頭みずから意識あるいは認識してはないーすなわち彼は、決して自覚的な「社会ファシスト」(もしくは「実質転向者」)ではないーにちがいない*1

この国では、自発的な行為がいつのまにか奉仕に置換される。NPONGO、ボランティア・・・、これらとネオリベラリズムは背反しない。むしろネオリベラリズムの一翼として位置づけられつつある。まさしく「社会ファシズム」の観念形態を無意識に繰り返す。

*1:大西巨人神聖喜劇』第三巻、光文社、P474