希望と預言

リチャード・ローティは『リベラル・ユートピアという希望』で『共産党宣言』や『新約聖書』を読む際には、預言が書かれているあたりは軽く読み飛ばし、希望が表明されている部分に集中したほうがよいという。ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』でいうように「未来の行為をいま知ることはできない。ここに意思の自由がある。/〔それゆえ、未来の行為を知りえたならば、その行為は実際に起こるのでなければならない〕」。