2007-01-01から1年間の記事一覧

すでに存在するものを、出来るだけ利用せよ

と清沢洌は『暗黒日記』でいう。「何故なれば既にあるものは存在する理由があり、これを利用することは最小の犠牲で足りるからだ」。また「左翼、右翼は根本を考え、自由主義は目前の改良を考える。右翼は国体明微に根本をおき、自由主義は目前に余りに多く…

どんな運動であれ

運動を実現するために身を費やすことはしたくない。エリック・ホッファーは『大衆運動』でいう。「高まりつつある大衆運動は、運動の主義や約束によってではなく、個人的存在の不安や、無味乾燥さや、無意味さから避難する場所を提供して、追随者の注意をひ…

退屈な選択

仕事をしないで好きなように生きたいと強く願う。しかし、それが叶うのは実践できる背景を持つごく一部の者だけである。殆どの者がそのように望んでも叶えることができない。生存のためには収入を得なければならない。 どうせ収入を得なければならないのなら…

希望と預言

リチャード・ローティは『リベラル・ユートピアという希望』で『共産党宣言』や『新約聖書』を読む際には、預言が書かれているあたりは軽く読み飛ばし、希望が表明されている部分に集中したほうがよいという。ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』でいう…

望むこと

ウィトゲンシュタインは『哲学探究』でいう。「人は或る動物が怒り、恐れ、悲しみ、喜び、驚いているのを想像することはできる。だが望んでいるのを想像することは? なぜできないのか。/話すことのできる者だけが、望むことができるのか。或る言語の使用に…

理念

どんなに崇高な理念であっても、その理念の実現のために現在が犠牲になってはならない。現在が幸福でないような理念などない。現在を少しでもよりよく変えていく以外に理念の実現はない。現在の積み重ねが未来になるのであり、未来のために現在があるのでは…

好きなように生きる

「好きなように生きる」ことが好きな仕事をするということであるならばうんざりする。好きな仕事であれば何時間でも仕事をすることを厭わないのか。好きな仕事をしたいのではなく、単に仕事をしたくないのだ。好きな仕事をして「好きなように生きる」のでは…

クワインは

ノイラートの舟のたとえを『ことばと対象』の冒頭に引用しているという。それは「ローティがいっそう鮮明な形で打ち出すことになる」が、「今手にすることのできるものから始めるしかないが、希望を捨てるべきではない」ということだという。

コミュニズム

「共産主義社会においては社会が生産の全般を規制しており、まさしくそのゆえに可能になることなのだが、私は今日はこれを、明日はあれをし、朝は猟をし、午後は漁をし、夕方には家畜を追い、そして食後には批判をするー漁師、漁夫、牧人あるいは批判家にな…

映画を撮ることについて

映画は撮りたい人が撮ればいい。映画に必要とされているとか、されていないとかいうこともレトリックとしてあるだろうが、そのような言い方は好まない。映画を必要としている人は必ずいる。必要としている人が映画を撮ればいい。世界は映画ではない。映画が…